IT業界の現状と課題

いまのIT業界はどのような現状であり、スーパーソフトウエアが何を解決すべき課題だと考えているか、我々の認識についてお伝えします。

人を育てないというIT業界の課題

過去30年、40年もの間、IT業界は絶えず成長と変化を続けており、技術の進化によってシステムエンジニアが活躍できる範囲も多岐にわたっています。アメリカやヨーロッパでは国家経済に影響を与えるほどの巨大IT企業が生まれ、人々のライフスタイルをより便利に変化させるIT。これだけ重要な分野にもかかわらず日本のエンジニアが置かれている状況は決して最善とは言えません。
「日本のソフトウェア技術者の生産性及び処遇の向上効果研究」報告書(同志社大学)において、日本のSEは、アメリカ、ドイツ、フランス、中国などとの国際比較において労働時間が長く、給与が低く、仕事に誇りを持っている人の割合が少ないとレポートされているように、長時間労働によってワークライフバランスが悪いために「学べない」、古い技術を使い続ける企業が多いため、新しい技術を修得するインセンティブが低く「学ばない」、年齢=経験年数というだけで価値が決まるため「学ばせない」というのが実情です。
このような環境は開発の担い手を量産するような古い時代の遺物であって、量産される担い手となるエンジニアは今はより単価の低いアジアのエンジニアと競合していき、次第に日本での存在価値がなくなっていきます。テクノロジーの進化が重要な現代では、この人を育てないIT業界を変革する必要がある課題です。

エンジニアリングとは何か

しかし、その一方で学習と成長を行わずとも日常業務ができてしまうため、あまり危機感を感じずに過ごした結果、本来もっと様々な可能性があるはずのエンジニアが自ら守備範囲を狭め、そのまま人生を終えている側面もあります。レガシーシステム(古いシステム)のメンテナンスや運用保守をする程度の技術スキルでも生活はできるにせよ、そのまま一生を終えてしまうエンジニアを少しでも減らすべきだと考えています。
エンジニアリングとは何かと考えてみると、おそらく多くの人が、プログラミングを行うこと、コードを書いて作ることをエンジニアと狭義の誤解をしています。しかし、実装や設計でさえもエンジニアリングの本質的な定義ではありません。エンジニアリングとは、漠然とした情報の中から、専門知識を用いてどうすれば具現化できるのかを導くことを指します。曖昧で不確実性が高い情報の状態から、不確実性を減らして具体的なもの、つまり確実性を高めたものを形作っていくことを指し、そのプロセスのことを情報処理と言います。IT業界のことを情報処理産業と呼びますが、この情報処理というのは、アナログで曖昧で不確実性が高いといった厄介でどうしようもない人間の行いを、不確実性を減らす行為を通してデジタルで具現化していく、ということを表している言葉です。
「不確実性を具現化するために情報を処理する職業」がエンジニアであるため、どれくらいの不確実性を扱えるかによってエンジニアの価値は変わります。ちょっとしたアイデアからサービスとして完成に導けるようなハイスキルから、設計書や手順書に従って作業を行うだけのロースキルまで市場価値(年収)も大きく異なり、ハイスキルのエンジニアを1人でも多く増やすことが日本の競争力強化には不可欠です。新しいものを生み出す視点をもたない作業者を幾ら増やしても、価格競争によってアジアの人材に置き換えられ、衰退することになります。

テクノロジークリエイティブな人材を育成

スーパーソフトウエアは、エンジニアが未来を考える会社、最先端技術を追求できる環境といったテーマを持って人材を育成しています。テクノロジークリエイティブな人材の育成によって、エンジニア個人と日本それぞれがより良い未来を得られることを目指してチャレンジしています。
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